干し石榴長文用

長文以外はTumblrへ徐々に移します。

東方クラブイベント初体験から10年経ってたので振り返り

Master Spark!! 3発目!ありがとうございました - 干し石榴長文用内に書いてましたが、イベント内容と関係ないので別エントリーにしました(ポエム)。

前置き

僕が初めて行った東方オンリーのクラブイベントは2009年5月の東方夢追戦なので、そこから10年経ってたんだなあと思いました。クラブイベントという括りでも人生2回目でした。
折角なので当時を振り返ってみようと思います。当時悩んでも分からなかった(あるいは何となく分かってたけど直視したくなかった?)ことが今なら分かるかもしれない。

当時

1年半ほど1人で黙々と聴いてきた東方アレンジ曲というものをDJが大音量でかけて、全く知らない人々と一緒に聴いているという状況が異世界で大興奮でした。新たな世界を発見したぞという。「かかっている」ではなく「DJがかける」というのも味噌だった気がします。この人は何をかけてくれるのかっていう期待感。
あと元々ニコニコ動画はあまり見てなかったので、「チルノのパーフェクトさんすう教室踊ってみた」を夢追戦で生で初めて目の当たりして、しかも間近で見るのは初めてのコスプレイヤーという存在が集団で踊っているものだから、それはもう電撃が走りました。まだギリギリ学生で多感だったというのもあります。その時トリで回していたのが当時まだFighting Dreamersにいたイツザビーツさんでした。

そして夢追戦の他に、アニフェス・ニコナイ・ニコパというオールジャンルイベントの三本柱があり、それぞれ40〜50分の「東方タイム」が設けられているのが通例でした。それぞれ最盛期はsapporo alifeという大箱に100〜200人の来場数がある状態でした。
また、2012年頃まで(自分も含め)東方コスプレブームで、更に所謂ネタ曲(お空のニュークリアフュージョン道場とか)をみんな知っていたから、基本的には毎回定番曲を一通りわっしょいする感じだった気がします。要するに、みんな「持ち曲」でLocotonte・alifeのお立ち台に上がったり、決まった振り付けがある曲をみんなで踊りたかった。こうして見るとパラパラブームと共通点があるかもしれません。
僕は最初の夢追戦〜DJ始める前の開催は全部参加していて、毎回東方タイムに何がかかるのか、今日は好きなサークル(主にAlstroemeria Records)の曲がかかるだろうかとウズウズソワソワして過ごしていました。ニコパでtakayuki@jpさんがEternal Riteをかけてくれたときは一人で感極まってました。

反省

当時、東方アレンジ曲の「認知」に関してはネタもガチも完全にニコ動ベースで、僕はそれ以外に沢山ある東方アレンジもかけたいという欲求が原動力でDJを始めたなーということを思い出しました。元々4つ打ち系を好んで聴いていたこともあります。
始めてみたらすんなりとDJとして迎えていただいたので、今思うと感謝しかありません。
ただ、当然「聴きたい(踊りたい)」と「かけたい」のギャップが大きい状況で、力量もゼロなのでだいぶ悩む時期がありました。しかも、かつてのalifeに100人以上入るイベント本番を使ってトライ&エラーをしてたんだから滅茶苦茶申し訳ない。

個人的なブレイクスルー

今になってみると、ビギナーの自分に足りなかった部分は「TPOに合わせる」とか「バランス感覚」とか枚挙にいとまがありませんが、もっと根本的なブレイクスルーに偶然出逢うことができました。
たしか2012年か2013年のakさん主催「Chirno Party!!」でCOOL&CREATEの「てや!えい!おちぇん!」をかけたときでした。曲順はけっこう固める派なので予定通りかけたのですが、そこに至る段階でかなり高まっていたこともあり、曲と自分が一体化した感覚を得ました。一種のイタコ状態だと思います。
その中で、自分の音楽的嗜好などなんと下らないものかと思うほどの快楽を得ました。人の生にこんな快楽があるのかという気づきでした。
それ以来音楽的なジャンルの拘りが希薄になり(それはそれでどうなの)、何でもかけて高まるようになりました。

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後悔と懺悔

(自分で言うのも非常にアレですが)一皮むけたと同時に、自分は今まで何故定番曲を忌避、というほどでないにしても、時間が限られる「東方タイム」でフロアの皆が待ち望んでいたネタ曲を投下してこなかったのかという後悔と懺悔が浮かんできました。いまだに浮かんだままですがこのまま死ぬまで浮かべておこう。

話がちょっと逸れますが、マスパの「アンセムタイム」は、定番曲を固め打ちするゾーンを最後に設けることで、各DJが気兼ねなくかけたい曲をかけられる画期的システムだと思います。しかも終盤にこれがあることで、皆いい具合に出来上がってて大円団でフィニッシュできるという。ただ、風土に依りけりな所もありそうなので、全国どこでも適用できるものかどうかは分からないと思います。とりあえずマスパでは上手くいっているように見えます。

現在について

メディア (何で曲を知るのか)

現在、東方アレンジがニコ動でブームになるということが殆どなくなった代わりに音ゲーにガンガン収録されるようになっていて、何というか「メディアがシフトした」んだなーということを実感しています。それでも、かつてニコ動で一世を風靡した曲が10年の時を経て収録というパターンが多いですが、チュウニズムにSound OnlineのStarlight Visionが入ったのは本当に嬉しかった。

シーン (時・場所・人)

東方コスプレブームが去って数年経って、規模は最盛期*1より1/5くらいになってるけれど新しいお客さんが遊びに来てくれていて(昔からずっと来続けてくれている方もいらっしゃり、多謝…多謝…)、DJとしては以前よりフラットに臨める状況になっていると思います。
この間、札幌の東方クラブイベントというシーンが消滅していないのはSilkwormさん(Faster Harder)・akさん(Chirno Party!!)・こおちゃまん(東方騒楽祭)・ご苦労先生(Master Spark!!)・おきょーさん(東方闇音録)など地道にイベントを主催してきた方々、加えてそれぞれの時期で新たにDJを始めたバイタリティ溢れる面々のお陰だなあと思います。
こうやってシーンは続いていくのだなあ。

*1:2012年にゆーたんさんが主催した「幻想桜舞宴」が200人超えていたような…当然主催・スタッフの尽力に依る所も大きかったと思います