まず,XDJ-AEROに"業界初、Wi-Fi接続対応のDJシステム対応。"とあるが,ちょっと前に出てたDENONのSC3900orSC2900とENGINEの組み合わせは"Wi-Fi接続対応のDJシステム"に該当しないのか否かというところが気になります.DENONの方はメディアプレイヤー側にWi-Fi接続機能が搭載されていない&曲データ実体をポータブル端末側に持たないからかな.
と同時に,DENONの方についてはTwitter上での言及を全く見たことがなかったの対し,XDJ-AEROはあっと言う間に話題が拡散していてメーカー格差を感じました.
で,このDENONのENGINEのように,Pioneerのrekordbox的な楽曲管理システムは各社打ち出してきていて*1,この部分での統一が図られればコンパクトディスクという統一規格に取って代われるのではないかと思いました.
ファイルシステムというレベルではすでに統一されていますが,それではプレイリストとしてディレクトリを作りファイルをコピーしてファイル名に連番を振るというファイルシステムレベルでの大変面倒くさいオペレーションが必要となってしまいます.
で,楽曲管理システムとして規格が統一される,つまりアプリケーション同士がデータ構造に対して互換性を持つためには,"規格に同意して実装で競う*2"というオープンソース的(かどうかも怪しいですがそんなイメージ)な方向で各社が合意する必要があります.
がしかし,MicrosoftとAppleがそれぞれ互換性のないOSでユーザーの囲い込みを続けているという歴史を鑑みると暗澹たる気持ちにならざるを得ない.デジタルメディアとして見れば光学ディスクよりフラッシュメモリとかの方がスマートだと思うのでこの辺についてガッと戦国時代が終わってほしいです.
実際のところ末端DJが何で困るかと言えば,家でしかプレイしない場合は別ですが,現場により採用メーカーが違うと各メーカーの楽曲管理システムごとにプレイリスト作ったり解析したりという下準備が必要になる点です.そして必然,そのエクスポートしたもので練習するには各メーカーのメディアプレイヤーが必要となります.しかし日本のクラブにおいては,ことメディアプレイヤーについては*3Pioneer一強なので問題ないように思いつつも,日本語表示対応はCDJ-2000のみという問題があり,同人音楽を主軸にする僕のような貧乏人*4はCDJ-2000高い,KANENAI,などと嘆くしかないのです.
そこで,今回のように曲のセレクト&ロード作業をポータブル端末で行えればメディアプレイヤー側のディスプレイで対応しなくても日本語問題が解決ではないかということです.むしろ,「レコードバッグからディスクを選んでプレイヤーに乗せる」というプロセスを素直にデジタル化した形のような気もします.あとは解析ファイルのフォーマットとか全体のフォルダ構造とかを定義する規格ができて,各社の楽曲管理システムがそれに準じる形になれば家用機材の選択の幅が広がって良いなーというところでした.
OS間の互換性のなさについて,ソフトウェア界ではJavaやAirが実行環境で吸収するという解決を試みていて,泥臭くても実用性のある解決策をソフトウェアパワーを結集して出すべきではないかと底辺プログラマーとして燃えてみるもののどうしたらいいのか全く分からない.
で,書いたあと読み直してPCDJの利点が浮き彫りになってくるのですが,ミキサーの裏をいじるのが怖い*5のでEXFORM PDS-1みたいなスイッチャーが普及すればPCにしようと思っているものの札幌ではまだ見たことがありません.